夏の夜


生きていく中で自分にとって大切なものとはなにか。

それは人それぞれで、家族、恋人、仕事や夢かもしれません。

ところが、ある日突然大切なものを失ってしまったら?

 

悲しみ、苦しみ、後悔などの感情は、凄まじいものでしょう。

人によっては自分の価値さえ見失ってしまうかもしれません。

 

ところが世界は終わらない。続く。当然だけど。

 

新しい大切なものを見つけるまで、ぽっかりと穴の空いた世界を、現実を、生きていかなくてはなりません。

壊れた精神の中で、日常はただただ続いていく。

 

会社にいく。

学校にいく。

電車の中で寝ているサラリーマンを見る。

ネット広告でタレントが大袈裟に笑う。

LINEにメッセージが入る。

車のボンネットが陽射しを反射する。

雲が流れる。

居酒屋の看板が外される。

陽が沈む。

雨が降る。

親指の爪が伸びていることに気が付く。

 

そんな現実と生きるための戦闘服をこの秋冬にお届けできたらと思います。