僕が初めて嬉野を訪れたのは、結婚の挨拶に妻の両親に会いにいったとき。
高速バスを降りて最初に吸った嬉野の空気はよく澄んでいた。
妻の両親はあたたかく僕を迎えてくれ、僕たちは家族になった。そして、昼夜問わず町の人々と飲み歩いた。どこへいっても歓迎された。
もちろん日本三代美肌の湯で有名な温泉も、伝統ある嬉野茶も素晴らしい。でも僕の体に一番染み込んだのは、この町の人々のあたたかさだ。
なぜこの町を僕は知らなかったのだろう。もっと知ってもらいたい。自然とそう考えるようになった。それがはじまりだった。
嬉野茶による美しいお茶染めと出会い、自分の染めに取り入れるのにずいぶん苦労した。お茶だけでは思いの色が出せず、嬉野温泉水を使わせてもらった。
かなりいいものが完成した。
この作品を通して多くの人が嬉野を知ってくれたら、と心から願う。
是非みなさま、あたたかく、やさしい町、嬉野を訪れてみてください。
協力してくださった全てのみなさんに感謝します。